デザインが決まればガラスを具体的に決めます。
イメージして色塗りしていますが、お施主様の好みもあるのでいくつかの選択肢が必要です。
ガラスは工房まで来ていただき、一緒に選びました。
サンプルを用意し、分かりづらい色は実際のガラスで。
オレンジだった花はオーロラピンクに変更
ブルーの面積を増やし、濃淡はお好みの色を選んでいただきました。
色が決まればガラスカットです。
色の濃さや流れに気をつけてカットします。
ステンドグラスのデザインはとにかく多く描きます。その中から良さそうなものを選びます。
ご希望以外のデザインもご提案できればします。ある程度方向が決まれば細部を。
花の場合、花びらの形は丸くした方が良いのか、背景はシンプルか、デザインされた曲線を使った方が良いのか。
使用するガラスを頭でイメージして色を塗ります。ジュエル(カットガラス)も入れました。キラキラします。
パソコンで仕上げず色鉛筆か透明水彩で描きます。
いつでもご希望に添えるように、良いものになるように出しきります。
玄関脇とリビングの小窓にご注文をいただきました。
玄関は隣の家のリビングに面していますが、窓の位置がずれ目隠しの必要はないかな。
小窓は北向で隣の家との間隔があり1日中綺麗に見える窓だと感じました。
クリアのアンティークで作るステンドグラスは反射光にとても映えます。
1回目のデザイン提出。直線形の施行例ST0003の感じでブルー系の淡い色がご希望でしたが、こんな感じもできますと(1)ピンクのパターンも添えました。
小窓は描けたもの全て絵にしました。迷うといけないのでお勧めを1つ決めました(3)です
提出後、ご意見などお伺いし、意見を出し合って修正します。
空間を取った方がより良く見えることもあります。ここまでは好みの範囲、ここからは経験上良くならない。そう思える時には言ってあげた方が良い場合もあります。
過去、引いて後悔することより、デザインを足して後悔することの方が多かったです。
できるだけ良い作品になるよう、最適なデザインでステンドグラス製作します。
2015年8月 埼玉県さいたま市 個人邸
360X900 250角(2枚)
東邦大学のステンドグラスです。
ピンクのハナミズキにデザインが決定した後は、選んだガラスの良いところを取ってガラスカットします。
ガラスを切り終えた後は色検査をします。
ピンクはサンゴバンのアンティークガラス。高額でしたが作品が良くなるなら。ガラスは大阪の倉庫で選びました。
設置場所が屋内のドア上で自然光は入りません。反射光でも色が分かるようなガラス選びをします。図書館の入り口なので全体に落ち着いていつつ、ピンク使用のリクエストに応えます。
ブルーストリーキーの流れを揃え、グラデーションも効果的に使います。
3種類のグラデーションを使っています。
気になるガラスを数枚切り直し、担当の生徒さんにチェックしていただきました。
太さに強弱をつけケイムで組んでいきます。
すでにお住まいの家、陽当たりの良い東向のキッチンです。
ワイヤー入りペアの型ガラスの交換が高額なため、ガラスは交換せず璃房で施行します。
型ガラスの前にアンティークとマシンメイドを置き、違和感なく見えたマシンメイドを使用します。白い壁の家で家具は直線形が多く、室内から邪魔にならないデザインを心がけます。
4パターン提出しました。
工房に来ていただき、ガラスを選びながら2パターンに絞り案を出し合いました。
実際の使用予定のガラスを窓に並べ選んでいきます。デザイン画だと想像しづらくても実際に見るとイメージしやすいですね。
A の気になる立体感をなくし、赤を入れました。ステンドグラス デザインD の下にラインを入れサイドの色を変えました。
D案で決まり、ケイムの太さを変え制作します。外側をYケイムで作り、外開きのペアガラスと抱合わせてサッシの中に嵌め込みます。
ガラスカットが終ると自然光で色の検査をします。
ピンクはフリモント、アメリカの美しいアンティークガラスを作るメーカーです。
菖蒲は和紙のようなヤカゲニー、葉は落ち着いた色合いのもの。背景はすべて流れのあるランバーツのアンティークガラスです。
青のストリーキーで動きをつけました。桜の花は風になびくように。
クラッケル(ひび割れたような)とフラクチャー(ガラス片の乗った)ガラスも使用。
濃い色を部分的に使い引き締めます。
菖蒲の花は青紫の良い部分をとり、凛々しく。
40ピース切り直してケイムで組みます。(蕾はコパー使用)
松村メタルのケイムはソフトでも曲げるのに苦労します。その分強いものができます。
横2本は補強線を入れたかったけど桜にかかるのでやめ、真鍮棒で裏からH型に補強します。
最高級なガラスと丈夫な作りで長く持つものにします。
子供部屋に桜と菖蒲のステンドグラスをご希望です。
春に産まれた双子のお子さん、名前に桜の字が使われています。
桜の写真集を買い、良い形を組み合わせます。
最初に2パターン提出。面取りを使ったアーチ型、ロンデル(丸いガラス)を使ったもの。先に産まれたお兄ちゃんをイメージした菖蒲もリクエストです。
アーチを使って、花を大きめに量も増やして欲しいとのご希望。
菖蒲2輪と背景を考えているところ。
左の菖蒲は大きく。右は満開の桜、背景はクリアに。
微調整しながら、菖蒲がアーチの枠からはみ出るパターンと枠内に入るもの。色はブルーとグリーン系をお見せしました。最終的にブルー系ではみ出す菖蒲で決定です。
桜は2輪を大きめな花にしてあります。
菖蒲は凛とした感じに。
双子ちゃんはうちの子と同じ年産まれ、良いものにしたいです。
背景はブルーとグリーンのリーミー、流れのあるガラスです。
淡いピンクはフリモントのオパック。両サイドの色むらがある青緑は、見に行って気に入ったものです。ストリーキーほど細かくないストーミーのようなゆるやかな流れがあります。
菖蒲のオパールセントは青紫の濃淡を出し、良い場所から切り出します。
遠方からメールでお問い合わせいただきました。
水芭蕉やカラーのデザインがご希望です。メールでやり取りしました。
いただいた資料を参考にし、控え目な感じがご希望です。色を抑えてご提案。
『控え目な感じ』を自分なりにイメージして白とクリアだけのデザインもご提案しました。
灰色の部分が透明で数種類、白はタバコの煙のような柄と、花はガタガタした表面の白をイメージ。
カラーで決まりました。葉をもっと変化を付け、表裏の表現も欲しいとのリクエスト。
ケイムで組むのであまりクネクネできませんが2パターン提出。
A案アンティークガラス使用20万円 B案マシンメイド16万5千円
(1部オパールセント、ジュエル使用)
ご予算は20万円以内。サイズ約570×870ミリ(お施主様に許可をいただき掲載します。)
開閉する箇所に設置するので、迷わず補強の線も入れました。
バランスがよければ邪魔な横線も帳消しになるでしょう。
今回は花のデッサンから始め、良い花の形を組み合わせました。
オーソドックスなデザインを1味違うものにするには、ガラスの選択を工夫することだと思います。使用するガラスは数パターンサンプルをお見せし、お好きなガラスを選んでいただきました。使いたかった白を選んでいただいて、良い物になると思います。
卒業記念のステンドグラスです。東邦大学の図書館に通じる室内ドアの上に設置します。
図書館という事で色を抑えて情緒ある感じをイメージしました。2パターン提出。
上のデザインは実際咲いているように、ホールの遠くからも見えるので花は大きめです。
遠近も出しました。背景は透明系、花,茎などはオパール系で浮き立つようにします。
下の白い花にはうっすら水色がかった流れが入り、このために仕入れたクリアからグリーンに変わるグラデーションのガラスを使用します。リーミー(波のある型)のグラデーションで初めて見ました。ブルーのストリーキーとデザインのラインで風が吹いているように。
どちらも落ち着いたデザインです。
打ち合わせに来る生徒さんは白も気に入っていただきましたが、学校側のご希望はもっと華やかな色でした。色の部分を増やし、花もご希望のピンクのパターンも描きました。
ピンクのハナミズキで決定。サンゴバンの良いピンクがありますが、他に選択肢がないか探し中です。昨日は埼玉へ、来週は大阪に行く予定です。
いつも作品ごとに探すわけではありませんが、今回は他にも欲しいガラスがあったので。ついでに気に入ったガラスも仕入れました。
いつか来るかもしれない仕事の時に、デザイン画にその色を描けるように在庫を多めに持ちます。
完成は2015年1月の予定です。
星と野原のステンドグラスがご希望です。
カットが終わり透明ガラスに並べて色のチェックをします。
気になる色は切り直し、左の星の周りの緑が明る過ぎ、中心の青のグラデーションが薄く、紫が濃い。
中心より左の緑は1トーン濃く。紫はピンクに変わるグラデーションの部分に変更。
ブルーは濃くして締まりました。
最初からイメージ通り取れば無駄もでないが。
もったいなくても1度妥協してしまうと、次回もこれくらいはいいか~とラインを下げた状態があたりまえになってしまいます。それが怖いです。
鉛線の太さを変えて組み終わりです。
星型はジュエルを使おうと思いましたが、気に入った色がなくココモのロンデライト(型のあるガラス)をコパーで星型にハンダ付けして組み込みました。
集合住宅のエントランスに設置します。