ステンドグラス悪童日記

レトロなステンドグラス

すでにお住まいの玄関上に設置するステンドグラスです。
工房でご希望をお聞きした後、下見に行きました。

型ガラスが入っていて、クリアガラスに交換しましょうか。とも言われましたが、そのまま生かすことにしました。

グリーンがお好きな色です。直線主体のデザイン。

線に強弱をつけ、斜線、円など使い変化させました。

決まったモチーフがなければ、何もない所からイメージしてデザイン画を描きます。
下見は重要で、30年以上住み続けた家なので、その雰囲気にあわせるようにしました。

C案に決定です。他は下見でイメージしたもの
C案は最後にできたデザインで、家に調和しそうで描けて良かったと思いました。

緑を多く、真中にアンク(魔除けのでもあり、エジプトの生命を意味する象徴図像)を入れて欲しいとご希望です。
太い線で描きました。

アンティークよりマシンメイドが雰囲気に合うと思い、大きな波のあるクリアなど数種類を使用。
新たに押し縁は作らず、古い建具を生かしてYケイムで型ガラスの前にステンドグラスを設置します。


制作過程。

ステンドグラスの制作過程です。
卒業記念で小学校へ残す作品です。
色の検査をしました。

麦のデザインは拡大時にさらに変えています。

ガラスはマシンメイド、アンティーク混ぜて使っています。
具象なデザインにはオパールセントが透明の背景に映えます。
麦の色は濃すぎで切り直し。同じガラスでもちょっとした濃淡でかわってきます。

羊は芯を抜いて組みます。微妙に違った時にはバラして逆から組むとよりピッタリすることがあります。4ミリ〜12ミリで制作します。

ステンドグラスは組み終わり、卒業式前に納品しました。


小学校のステンドグラス

卒業記念のステンドグラスです。東京三育小学校は3年前にも制作させていただきました。

ご希望は校歌にでてくる『麦と子羊』。どう表現するかはお任せです。
現場を見たあと子羊のデザインのため本を探しに行きました。

羊の写真集は購入せず、子供がおしりを向けて振り返った時が可愛かったのを思い出し、そのイメージしてデザイン。しっぽも顔も見れます。羊飼いはフナスキンをイメージ。夜の感じで。
麦は奥行きを感じられるような透明感のあるイメージ。
納期もなく1回で決めるつもりでしたが、返事待ちの間に気になった麦を描き直し。

上部が曲線なので麦畑の部分は直線で表現しました。対比がおもしろくなれば。
ガラスはフリモントやストリーキーなど使用する予定です。豊作を感じられるように。

ステンドグラスは木製の扉をくり抜き設置します。
2017年3月取付け。


吹抜けの色検査

ステンドグラスの制作行程です。
カットしたガラスを透過光で確認します。
お施主様にも立ち会っていただきました。

多かったブルーを薄い黄色に変えてバランスが良くなりました。
お施主様の意見もとても参考になりました。

ガラスカットと組は私がやり、パテ詰めをスタッフにお願いしています。
ガラスとケイムの隙間をひろげ、指詰めのあと再度ヘラで押し込みます。

透過光で最終の掃除をします。

ステンドグラスに光が入るととても綺麗です。少し動くたびにキラキラします。
4月に取付です。


ひまわりの制作

カットが終わり色検査です。
お任せなので主観で切り直します。

草原に使ったガラスはフュージングで奥行きを表現。地平線に行くほど1輪が小さくなるように。

目立ちすぎるか心配でしたが、遠目ではほとんど分からない。
葉と背景の区別が曖昧なので、念のために作った葉の部分を切り直します。

5〜8ミリのケイムで大きくならないように組みます。

隙間にハンダが漏れないようにハンダ付け。

パテ詰めも終わり、乾かせば掃除して取付けです。


鳥の色検査

待合室に設置する鳥のステンドグラスです。
カットしたガラスを並べて色の検査をします。

光と風が感じられるようにデザインと色を工夫します。
デザイン画とは違う部分もありますが、お任せいただいているので施主様の許可を取らず、ガラスや線を自由に変えていきます。

ケイムは12〜5ミリを奥行きも感じられるように使い分け(キヨ)の名前が入るように組みます。


パネル制作過程

拡大した製図は再度バランスを見ます。

カットの途中で同じサイズに切ったガラスの誤差がないか、お施主様に持っていただく機会がありました。ピッタリに切ります。カットが終わると色検査です。

今回は幅が1822ミリ高さ1029あるので周りを真鍮で組みます。

真鍮は磨いてハンダメッキし、中はガラスが割れないようにガムテープをコの字型に貼付けます。

紙を挟みハンダ付け。裏に流れないように。

自然光で掃除をして終了です。

今回は周りの四方と横1本真鍮を使いました。縦にはデザイン的に入れたくなかったので組み終えてから真鍮棒を縦に2本裏につけ補強しています。

部分的に見える所がありますが、強度を優先しました。


ガラスの色決め

デザインが決まればガラスを具体的に決めます。
イメージして色塗りしていますが、お施主様の好みもあるのでいくつかの選択肢が必要です。

IMG_0008

ガラスは工房まで来ていただき、一緒に選びました。
サンプルを用意し、分かりづらい色は実際のガラスで。
オレンジだった花はオーロラピンクに変更
ブルーの面積を増やし、濃淡はお好みの色を選んでいただきました。

色が決まればガラスカットです。

ガラスカット

色の濃さや流れに気をつけてカットします。


桜と菖蒲の色検査。

 ガラスカットが終ると自然光で色の検査をします。

さくらのステンドグラス
ピンクはフリモント、アメリカの美しいアンティークガラスを作るメーカーです。
菖蒲は和紙のようなヤカゲニー、葉は落ち着いた色合いのもの。背景はすべて流れのあるランバーツのアンティークガラスです。
桜とアヤメのステンドグラス
青のストリーキーで動きをつけました。桜の花は風になびくように。
クラッケル(ひび割れたような)とフラクチャー(ガラス片の乗った)ガラスも使用。
濃い色を部分的に使い引き締めます。
菖蒲のステンドグラス
菖蒲の花は青紫の良い部分をとり、凛々しく。
40ピース切り直してケイムで組みます。(蕾はコパー使用)
桜と菖蒲のステンドグラス
松村メタルのケイムはソフトでも曲げるのに苦労します。その分強いものができます。
横2本は補強線を入れたかったけど桜にかかるのでやめ、真鍮棒で裏からH型に補強します。
最高級なガラスと丈夫な作りで長く持つものにします。
デザイン 制作  璃房ステンドグラス

ステンドグラス色検査。

 

星と野原のステンドグラスがご希望です。
カットが終わり透明ガラスに並べて色のチェックをします。
ステンドグラス 色検査
気になる色は切り直し、左の星の周りの緑が明る過ぎ、中心の青のグラデーションが薄く、紫が濃い。
ステンドグラス 野原
中心より左の緑は1トーン濃く。紫はピンクに変わるグラデーションの部分に変更。
ブルーは濃くして締まりました。
最初からイメージ通り取れば無駄もでないが。
もったいなくても1度妥協してしまうと、次回もこれくらいはいいか~とラインを下げた状態があたりまえになってしまいます。それが怖いです。
ステンドグラス 星
鉛線の太さを変えて組み終わりです。
星型はジュエルを使おうと思いましたが、気に入った色がなくココモのロンデライト(型のあるガラス)をコパーで星型にハンダ付けして組み込みました。
集合住宅のエントランスに設置します。
デザイン制作 璃房ステンドグラス

プロフィール

璃房ステンドグラス代表 五味理

五味理

ステンドグラス制作や教室のこと、日々のこと

>>詳しいプロフィール<<


ブログ内検索



カテゴリー

  • 制作について (163)
  • 施工例 (110)
  • 教室 (416)
  • 日々のこと (219)
  • 未分類 (94)


  • にほんブログ村 美術ブログ ステンドグラスへ
    にほんブログ村

    月間アーカイブ

  • 2022年6月 (4)
  • 2022年5月 (1)
  • 2022年4月 (1)
  • 2022年3月 (3)
  • 2022年2月 (5)
  • 2022年1月 (4)
  • 2021年12月 (3)
  • 2021年11月 (3)
  • 2021年10月 (3)
  • 2021年9月 (4)
  • 2021年8月 (3)
  • 2021年7月 (2)
  • 2021年6月 (3)
  • 2021年5月 (6)
  • 2021年4月 (3)
  • 2021年3月 (1)
  • 2021年2月 (4)
  • 2021年1月 (4)
  • 2020年12月 (8)
  • 2020年11月 (7)
  • 2020年10月 (3)
  • 2020年9月 (2)
  • 2020年8月 (5)
  • 2020年6月 (5)
  • 2020年5月 (12)
  • 2020年4月 (13)
  • 2020年3月 (7)
  • 2020年2月 (2)
  • 2020年1月 (4)
  • 2019年12月 (4)
  • 2019年11月 (3)
  • 2019年10月 (4)
  • 2019年9月 (2)
  • 2019年8月 (3)
  • 2019年7月 (1)
  • 2019年6月 (6)
  • 2019年5月 (6)
  • 2019年4月 (7)
  • 2019年3月 (4)
  • 2019年2月 (6)
  • 2019年1月 (1)
  • 2018年12月 (9)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年10月 (1)
  • 2018年9月 (4)
  • 2018年8月 (8)
  • 2018年7月 (10)
  • 2018年6月 (4)
  • 2018年5月 (6)
  • 2018年4月 (11)
  • 2018年3月 (9)
  • 2018年2月 (6)
  • 2018年1月 (1)
  • 2017年12月 (12)
  • 2017年11月 (7)
  • 2017年10月 (6)
  • 2017年9月 (4)
  • 2017年8月 (10)
  • 2017年7月 (7)
  • 2017年6月 (9)
  • 2017年5月 (10)
  • 2017年4月 (8)
  • 2017年3月 (12)
  • 2017年2月 (8)
  • 2017年1月 (8)
  • 2016年12月 (7)
  • 2016年11月 (1)
  • 2016年10月 (8)
  • 2016年9月 (10)
  • 2016年8月 (9)
  • 2016年7月 (5)
  • 2016年6月 (7)
  • 2016年5月 (7)
  • 2016年4月 (9)
  • 2016年3月 (5)
  • 2016年2月 (6)
  • 2016年1月 (2)
  • 2015年12月 (6)
  • 2015年11月 (5)
  • 2015年10月 (7)
  • 2015年9月 (6)
  • 2015年8月 (4)
  • 2015年7月 (6)
  • 2015年6月 (8)
  • 2015年5月 (7)
  • 2015年4月 (7)
  • 2015年3月 (9)
  • 2015年2月 (3)
  • 2015年1月 (3)
  • 2014年12月 (7)
  • 2014年11月 (3)
  • 2014年10月 (2)
  • 2014年9月 (5)
  • 2014年8月 (3)
  • 2014年7月 (2)
  • 2014年6月 (3)
  • 2014年5月 (10)
  • 2014年4月 (8)
  • 2014年3月 (7)
  • 2014年2月 (5)
  • 2014年1月 (3)
  • 2013年12月 (6)
  • 2013年11月 (2)
  • 2013年10月 (3)
  • 2013年9月 (7)
  • 2013年8月 (4)
  • 2013年7月 (3)
  • 2013年6月 (11)
  • 2013年5月 (4)
  • 2013年4月 (2)
  • 2013年3月 (6)
  • 2013年2月 (4)
  • 2013年1月 (3)
  • 2012年12月 (5)
  • 2012年11月 (1)
  • 2012年10月 (3)
  • 2012年9月 (5)
  • 2012年8月 (5)
  • 2012年7月 (3)
  • 2012年6月 (2)
  • 2012年5月 (3)
  • 2012年4月 (4)
  • 2012年3月 (5)
  • 2012年2月 (5)
  • 2012年1月 (2)
  • 2011年12月 (5)
  • 2011年11月 (7)
  • 2011年10月 (2)
  • 2011年9月 (3)
  • 2011年8月 (3)
  • 2011年7月 (4)
  • 2011年6月 (4)
  • 2011年5月 (6)
  • 2011年4月 (6)
  • 2011年3月 (3)
  • 2011年2月 (7)
  • 2011年1月 (4)
  • 2010年12月 (7)
  • 2010年11月 (4)
  • 2010年10月 (8)
  • 2010年9月 (6)
  • 2010年8月 (7)
  • 2010年7月 (6)
  • 2010年6月 (7)
  • 2010年5月 (5)
  • 2010年4月 (8)
  • 2010年3月 (9)
  • 2010年2月 (9)
  • 2010年1月 (10)
  • 2009年12月 (9)
  • 2009年11月 (5)
  • 2009年10月 (9)
  • 2009年9月 (10)
  • 2009年8月 (9)
  • 2009年7月 (13)
  • 2009年6月 (11)
  • 2009年5月 (13)
  • 2009年4月 (10)
  • 2009年3月 (12)
  • 2009年2月 (9)
  • 2009年1月 (11)
  • 2008年12月 (11)
  • 2008年11月 (16)
  • 2008年10月 (9)
  • 2008年9月 (9)
  • 2008年8月 (14)
  • 2008年7月 (11)
  • 2008年6月 (13)
  • 2008年5月 (6)
  • 2008年4月 (7)
  • 2008年3月 (9)
  • 2008年2月 (9)
  • 2008年1月 (5)
  • page top

    Scroll Up